3/24 new in : PAST / czarno/biala
人はなぜ怠けてしまうのでしょうか。
すっかり遅くなってしまいましたが、先日入荷したレコードをご紹介します。と言っている間に残りわずかとなってしまいました。
ポーランドのポストパンクバンド、PASTによる1stアルバム。ポストパンクとしてはメロディラインがはっきりしているので聴きやすいです。日本国内では50枚限定の流通となっております。インナーに日本語のインタビューシートが入っており、バンドへの理解が深まる内容となっております。
昨年来日したスペインのバンドBelgradoにも近いですが、Belgradoが横のリズムが強いのに対し、こちらの方がパンク寄りで縦のリズムが強いですね。ちなみに、Belgradoとも親交があるんだそうです。
余談ですが、こちらのレコードのディストリビューションは当店の常連様がしております。インタビューシートもその方が制作しており、このレコードに対しての熱意を感じます。私もこのような音楽が大好きなので、ぜひ皆さんにも聴いていただきたいです!明るい音楽も良いですが、ダークな音楽もかっこいいです。
また当店の1周年イベントの際にDJをしていただいた、モーリーさんことOVERTHROW RECORDSの森下氏による推薦文も以下に掲載します。ぜひ!
PAST…
誰しもが持つであろう過ぎた日々の淡く切なき時間。そこに在るのは甘き郷愁か…それともそれとは表裏な怒りを越え、悶え苦しむ懺悔か…。
漂う如くに甘美で、そして仄 かに哀しい…そんな感傷にどうして人はこうまでに囚われてしまうのだろう。そしてポーランドより届く『あの日』ではない『今日』の甘美なる憂鬱…。
後悔も先に立たないとなれば何処に行けるというのか。脳裡を覆う霧の先には…否、その以前に終焉はあるのか…それでも時が過ぎて行く限りは…。
やがて訪れるかも知れない
不安をも擁したその安堵の時。そこに辿り着けるか否かも測り知れず、だが、誰が諦められようか。今日という、このどうしようもないここから逃れて、この先の瞬間に進む事を…。
人は甘い夢だけを抱えて生きられない。そしてまた失望と憂鬱だけしか抱けないなら直ぐさまにも死に至る。まさにその間に生きる私達。そこに鳴る鐘の音…それさえ非情にも甘美ならず、錆びた鈍い音を奏でる…。
そしてPAST…だかここに鳴る鐘は、今ここに鳴り、そして貴方の過ぎた日にも鳴っていた、あの鐘の音であろう筈がない。今日を生きる、今、聴く事の出来る鐘の音だとだけ言っておきたい。それは自分自身にさえも…。そしてその音がまたしても貴方と私の胸裡の琴線を震わせ惑わせる、透き通り甘美なる奏でである事も…。このポーランドより舞い下りた胸焦がれる調に明日をも知れぬ私達は、今こそ揺蕩う他ない…。
森下 篤(OVERTHROW RECORDS)